閃光のプレリュード page 15/24

閃光のプレリュード

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概要:
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13ぎ倒した状態で完全に水中に没してしまっている。機体は右に傾斜した状態で墜落したのか、右主翼は真っ黒に変色した第二エンジンをつけたまま機体との接合部近くからもぎ取られ、逆さまの状態でかろうじて水上に認められる。機体後部は主翼付近で前方部分と分離され、沈んでしまった機体前部に乗り上げた状態で、切断面を空に向け大きく口を開けている。機体の最後部で、守護神が羽を広げた格好の垂直安定板だけが、我々は生き残っているぞ、と言わんばかりに一見無傷の姿のままで直立しているのが一層事故の重大さを際立たせている。幸いにも、エンジンを始め機体からは今のところ新たな炎は出ていないようで、既に海上に漏れ出たと考えられるジェット燃料には引火していないようだ。巨大な垂直安定板が赤色に点滅し始め、規則的だったその周期はあっという間にバラバラになってゆく。海上保安庁の救助艇数艇がもうすぐそこまで近づいているのだ。とにかく生存者の救出を急がなくては。機体の損傷具合から判断するに、機体後部に搭乗していた乗客のかなりの人数は生存している可能性が高いのだ。それも海上に撒