閃光のプレリュード page 21/24

閃光のプレリュード

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19そのままコンボイを続けるとトンネルの勾配は上りに転じてきた。もうすぐ先に空港に向かう分岐があらわれるはずだ。紅白の大蛇は左に大きくうねりを加えた後、ほぼ九〇度左に旋回し空港へ続くランプウエイを斜め上に登っていった。墜落事故の事実を知らないドライバーにとっては、彼のとった行動は単なる馬鹿者の悪ふざけにしか見えなかった。トンネルを抜け地上に出たTR7のAM受信機は、突然息を吹き返したように管制官とパイロットの緊迫した会話を伝え始めた。周波数は羽田空港のタワー周波数の118,100MHzに合わせてある。どの航空機もランディングを諦め代替空港へのコンバートを余儀なくされている旨の通信であったが、英語の通信の中に突然割り込んできた日本語の入電があった。「こちら、北東航空14便。羽田タワーに日本語で一方的にお送りします。当機はサウスイースト194便に続くランディングオーダーでしたが、事故目撃直後のアプローチ回避中に、当機に突然燃料漏れのサインが点灯し、しかもどのタンクからのリー