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閃光のプレリュード

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閃光のプレリュード 6持かつ進化させ続け、しかも日常の足としている男は日本広しといえどもさすがに彼一人に違いない。リアエンドがストンと垂直に切り取られているせいもあり、トランクルームは小さなボストンバッグを横に二つ並べられるほどの広さしか無いが、カロッサ製の最新ワンセグテレビ付きカーナビゲーションシステムNAVITV-1SとICOM社の430MHz帯のアマチュア無線機を狭いコンソールボックスになんとか押しこむように搭載し、更に航空機と管制室との連絡に使われる航空無線が傍受可能なハンディ無線機ID―92がコックピット側のドアポケットに常備されている。外部からの情報収集能力には何の不足もない、はずだった。時刻は午前六時三一分、車はちょうど東京港トンネルにさしかかり、斜度八度にも達するダウンヒルを海底に向かって沈み込もうとしていた。この海底トンネルは尋常ではない交通量の多さとアップダウンの激しさから、事故の多発ポイントといわれ、かねてからプロドライバーに〝沈没トンネル〟との不名誉なあだ名を頂戴しているいわくつきのポイントである。この日の朝、瀧本は九時ジャストに出発予定のフライト