ブックタイトルポカポカ

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ポカポカ

17 途方なく熟したような腐ったような、橙色のこごり。瓶を傾けると、しなだれる女のような動きをするので、私はぎりりと奥歯を鳴らす。わかったからそんなに泣かないで冷蔵庫。手の上で橙色の女が媚びを売る。昔、唇を甘く濡らした。でも、マーマレードは毎日食べるものではなくて。微かだった苦味が鮮明になる。確かだった甘さを思いかえすのが日課になる。