ブックタイトルポカポカ

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ポカポカ

19 途方なく雑踏都会には今の私を必要としてくれる人や出来事はひとつもなくて、ただ自分がアスファルトにしっかり足を挿していないと風に飛んでしまいそうだ。「こんなに人がいるのだから、誰かひとりぐらいあたしの手を取ってくれないだろうか」と思っても、伸びてくるのはティッシュ配りの手ぐらいで。鼻で笑いたくなる小さな不安なんか抱えてみたりして。昔はもう少し、雑踏に強かった。楽しい夜に感じてしまう不安は、払っても落ちない汚れのようだ。忘れることが苦手な私には、追い払ってもついてくる子犬のようだ。