ブックタイトル愉快なまつさん「満員御礼」

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愉快なまつさん「満員御礼」

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概要

愉快なまつさん「満員御礼」

13か。パン売り場にいるこの四人はそれぞれが、何らかのストレスを抱えて、ふんわりとした甘い物に助けてもらっているのかもしれない。はじめは、いぶかしげに見ていた傍にいるお客さんも、自分の事を振り返ると、まつが何個もあんパンを手に取る事に、同情の気持ちを感じ、納得がいったようだった。だが、お客どうしの会話は、ひそひそから、だんだん真剣な会話に変わっていった。一方まつは、三人の会話が分かっているのかいないのか、とんでもない事を言い出した。「私の子どもの頃からの夢だったの、あんパンに囲まれた生活がしてみたいって。たくさん食べたら、無敵のあんパン太郎になれるのよ」それを聞いてお客のふたりは目を丸くした。そして幸恵に興味津々で聞いた。「失礼ですけど、おばあちゃん、いつもこういう調子なんですか?」「ええ、そうなんです」